東京都大田区某所某日
その日は嵐が吹き荒れていて、外界に出ることは困難な陸の孤島のような状況でした。
電話線も何者かに切断され通じない・・・。
私へみと幼馴染のメガネ君は2人きりで事務所という名の檻の中に閉じ込められていました。
完全なる静寂・・・。
カチャカチャポチポチというキーボードの音だけが響き渡っていました・・・。
だんだん日も暮れてきて、これから長い夜が始まります。
私はあるミッションを思い出しました。
そう、その日先輩方は出張中で、新米の私は不在中のお魚さん達のエサやりを任されていたのです。
へみ「あっいけない!エサあげないと!」
といって水槽の方へ走り出しました。
まずは左側のクマノミを初めとする観賞魚たち、そして中央の水槽ハリセンボンのマロ子。
そして右側の活魚水槽ゾーンへ・・・。
そこで私は悲鳴をあげました。
「殺(や)っちまったーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ガビ━━ΣΣ(゚Д゚;)━━ン!!!!!!!!!!!!!」
「どうしよどうしよ死んどるやないかい((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル」
「やばいやばい大事なミッションを任されたのに死なせてしまいましたじゃシャレにならん(((((((( ;゚Д゚))))))))ガクガクブルブルガタガタブルブル」
「どうしよどうしよどうしよどうしよどうしよどうしよぎゃわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわ(((((( ;゚Д゚))))))ガクガクブルブルガタガタブルガタガクガクガクガクガク」
チーン(゚∀゚)アヒャ
完全にさとりを開いた私・・・。
そう、いつもならライブロックの影に隠れて姿がよく見えないイセエビパイセン。
今宵、初めて全貌があきらかになったというのに全く微動だにしませんでした。
まじでどうしよう・・・なんて報告したらいいんだろう・・・。
ん?
おや?
おやや?
奥にもイセエビいるよな・・・。
あれ?
2匹もいたっけ?
というわけで幼馴染のみゆ・・・ではなくメガネ君を呼び出しました。
へみ「ねーねーどうしよう。全く動かないんだけどこれって死んでるよねぇ?」
メガネ「これ、脱皮してるだけですよ」
へみ「ふぁ(゜∀゜)???????」
メガネ「なんか透けてるし色薄いじゃないですか」
へみ「確かに(゚Д゚ )」
そう、イセエビパイセンはこんなにきれいに分身・・・ではなく脱皮するんですね。
前にTVで見たことはありましたがすっかり忘れておりました。
水がきれいな証拠らしいです!
こちらは陸上で脱皮するイセエビを撮影した動画も話題になりました。
ただ画像を検索してみても背中に割れ目があって抜け殻だな~と分かるものも多かったので、
こんなにきれいに脱皮したものもなかなか見れないと思いました!
そりゃー勘違いしてもしかたないでしょじっちゃん!!
脱皮直後の伊勢海老は、殻が出来上がる前で、皮に近い状態、だから頭から足先まですべて丸ごと食べる事ができる幻の脱皮伊勢海老というのもあるらしいです。
詳しくはこちら
http://kuroisi.com/maboroshi.htm
そんな魚介類知識のレベルがちょびっと上がった嵐の夜でした。
へみでした!
※追記後日談
この殻なんかに使えないかな・・・。
道端に置いておいたりしたらみんなどんな反応するんだろう・・・。(※よいこはマネをしてはいけません)
とかイタズラ心がそわそわし、捨てちゃうのもなんかもったいないし・・・と思いとりあえず水槽に放置しといた私。
ですが次の日出張から帰った先輩にあっさり生ゴミで捨てられていたという・・・ああ無情・・・(´;ω;`)ブワッ。